「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「お前も同罪だろ? コンドーさん殺害にはお前も関与してる訳だし。言ってみればこれは共犯……」


「いいから今すぐ買って来て!」


まだしゃべってる途中なのに、被せるように浴びせられた命令形。



「嫌だね。こんな時間、薬局やってねぇーし」

もう既に、時計の短い針は11を通過していた。



「コンビニでいいじゃん。車で3分、往復6分でしょ?」


「買う時間入れたら10分。混んでてレジで並んだら15分。俺が服着る時間入れたら……」


「もう! しゃべってる間に服着れるでしょ? さささ、口なんか動かさなくていいから、身体動かす!」


とうとう杏奈は身を起こして、説教みたいな口調で指図しだした。


ああ、なんかムカつく。


お預け食らってんのは、お前だけじゃねぇぞ?



俺だって――

下半身のアイツが……以下省略。


この状態でジーンズ履いたら、痛いだろうしファスナー上がらないだろうし、無理矢理上げたら、きっと大惨事だろうし……。


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