「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「会わせろよ」


「はっ?」


「そんなに言うなら、その彼女に会わせろ」


「いや俺、何も言ってねぇし」


「スリム、可愛い、コンタクト、なんだろ? 会わせろ。本当かどうかこの目で確かめないと気が済まねぇ」


「んなもん知るか。けど、可愛いって言うより綺麗系ね?」


「ああムカつく。会わせろって。どうせ大したことねぇんだろ?」


「会ったら余計、ムカつくんじゃね?」


「何その余裕? 腹立つわー」






――――――――てな訳で。

いや、どんな訳か知らねぇけど……。



「ねぇあの車、何だろう? 気持ち悪い……」

杏奈の自宅に横付けした俺の車のすぐ後ろに、同じ様に横付けされた4WDをチラ見しながら、杏奈が声を潜めて言った。



「でもアイツ、イケメンじゃね? 確かにキモいしウザいし目障りだけど」

わざとらしくとぼけて、そんなことを言ってやる。


杏奈のイケメンに対する反応を見てみたいという、ちょっと自虐的な好奇心。


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