「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「どうぞ」

低く唸るように言えば、

「いえ、もう結構」

丁重にお断りされた。


「ああ、オッパイの方がいいですか?」

くるり、再び月野さんに向き直って、今度は胸を突き出す。


「いえ、もっと結構」

「どうしてですか? 本山さんのオッパイはいつも触りまくってるじゃないですか。その度に本山さん、どんなに辛い思いしてるか……。触るんなら、本山さんのじゃなく私のオッパイにしてください。私は平気ですから」


本山さんは看護学生で、アルバイトをしながら学校に通っている10代の女の子。小柄でポッチャリしていて、ちなみに巨乳。月野さんの一番のお気に入りだ。

でも触られるたびに、本山さんは泣きそうな顔をする。それを見て、月野さんはご満悦。それは傍から見ていても、本当に腹立たしい光景だ。


「あなたのはオッパイじゃない」

月野さんはちょっと申し訳なさそうにボソボソと答えた。

「はっ? じゃあ、なんなんですか?」


「胸板……」


なんですとー?


< 164 / 241 >

この作品をシェア

pagetop