「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
〔男は顔じゃない!……よね?〕
勢いに任せて家を飛び出してはみたものの、行く当てなんかない。疎らに立つ街灯の弱々しい光に照らされた薄暗い道路を、トボトボ歩いているうちに大通りに出た。
と、宇留野さんと話した時に話題に上がったラーメン屋さん、『あすなろ』が視界に入った。誘われるようにその入口へ足が向く。
宇留野さんゴリ推しの台湾ラーメン、今度食べてみるって約束したし、なんて言い訳染みた理由を頭に浮かべて。
あんなの約束でも何でもない。寧ろ話の流れで口にした社交辞令的なものだ。
それでもいい。時間を潰す口実になれば何でもいい。
店に一歩足を踏み入れれば、店員の軽快な掛け声が出迎えてくれた。遅い時間にも関わらず、店内は活気に満ちていた。何だか少しホッとした。
空いてる席にどうぞ、と言われたけど、人気の店だけあってテーブル席は一杯だった。仕方なくカウンターに座ろうと椅子に手を掛けたところで、
「米山さん」
店の奥から名前を呼ばれた。
キョロキョロと声のした方に視線走らせれば、
「ここ、ここ」
奥のテーブル席でこちらに向かって手を挙げている人を発見。
と、宇留野さんと話した時に話題に上がったラーメン屋さん、『あすなろ』が視界に入った。誘われるようにその入口へ足が向く。
宇留野さんゴリ推しの台湾ラーメン、今度食べてみるって約束したし、なんて言い訳染みた理由を頭に浮かべて。
あんなの約束でも何でもない。寧ろ話の流れで口にした社交辞令的なものだ。
それでもいい。時間を潰す口実になれば何でもいい。
店に一歩足を踏み入れれば、店員の軽快な掛け声が出迎えてくれた。遅い時間にも関わらず、店内は活気に満ちていた。何だか少しホッとした。
空いてる席にどうぞ、と言われたけど、人気の店だけあってテーブル席は一杯だった。仕方なくカウンターに座ろうと椅子に手を掛けたところで、
「米山さん」
店の奥から名前を呼ばれた。
キョロキョロと声のした方に視線走らせれば、
「ここ、ここ」
奥のテーブル席でこちらに向かって手を挙げている人を発見。