「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
向山さんは、見た感じ40代前半ぐらいで、いつも笑顔の絶えない朗らかな女性。小柄なのに、仕事は迅速かつ丁寧で、しかもパワフル。私は密かに憧れていた。だから余計に、浩平の写真を見た後の向山さんの反応が怖かった。
「わぁ! 素敵!」
けれど向山さんは、手放しで絶賛してくれた。
「さすが、米山さんねぇ……」
心底感心したようにこぼして、スマートホンを私に返してきた。それを受け取れば、
「うちなんか、デブのチンチクリン、おまけにハゲ」
と言ってケラケラ笑う。どう返せばいいかわからず、愛想笑いで誤魔化した。
「でも、優しくて楽しい人だけどね」
と続けて、向山さんは幸せそうに微笑んだ。
「それ、大事なことですよね? 結婚って、一緒に暮らすわけですから、『優しくて楽しい』が必須条件になりますよね? 顔とかそういう見た目的なことは、後回しになりますよね?」
思わず力説してしまう。その余りの必死さに、周りはドン引き。けれど向山さんだけは、
「何言ってんの、米山さんの旦那さん、十分格好いいじゃない」
と、実に巧いことその場の空気を和ませてくれた。
「でもそうねぇ……見た目なんか、どーでもいいわよねぇ。一緒に暮らしていく上で、顔がいいのなんか、なんの役にも立たないからねぇ」
そう言って、向山さんは、こくこくと頷く。
「でも、子どもには影響するじゃないですか」
早川さんが、すかさず反論した。
「どんなんでも、自分の子って可愛いもんよー?」
「でも不細工に産まれたら、その子どもが可哀想じゃないですか?」
早川さんは、半ば躍起になっているようだ。
「わぁ! 素敵!」
けれど向山さんは、手放しで絶賛してくれた。
「さすが、米山さんねぇ……」
心底感心したようにこぼして、スマートホンを私に返してきた。それを受け取れば、
「うちなんか、デブのチンチクリン、おまけにハゲ」
と言ってケラケラ笑う。どう返せばいいかわからず、愛想笑いで誤魔化した。
「でも、優しくて楽しい人だけどね」
と続けて、向山さんは幸せそうに微笑んだ。
「それ、大事なことですよね? 結婚って、一緒に暮らすわけですから、『優しくて楽しい』が必須条件になりますよね? 顔とかそういう見た目的なことは、後回しになりますよね?」
思わず力説してしまう。その余りの必死さに、周りはドン引き。けれど向山さんだけは、
「何言ってんの、米山さんの旦那さん、十分格好いいじゃない」
と、実に巧いことその場の空気を和ませてくれた。
「でもそうねぇ……見た目なんか、どーでもいいわよねぇ。一緒に暮らしていく上で、顔がいいのなんか、なんの役にも立たないからねぇ」
そう言って、向山さんは、こくこくと頷く。
「でも、子どもには影響するじゃないですか」
早川さんが、すかさず反論した。
「どんなんでも、自分の子って可愛いもんよー?」
「でも不細工に産まれたら、その子どもが可哀想じゃないですか?」
早川さんは、半ば躍起になっているようだ。