「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「そう、ごめんね?」
二カッと満面の笑みで謝れば、不快そうに眉根を寄せて「気持ちわりぃ」と言われた。
「米山は? 人肌恋しくないの?」
「季節関係なく、年中恋しいわ」
よっしゃぁー! と心の中でガッツポーズ。
けれど、極力平静を装って続けた。
「米山、彼女いないんだ?」
「だったら何?」
「もしかして童貞?」
「んな訳ねぇだろ。バカじゃねぇの?」
「じゃ、素人(しろうと)童貞?」
「何が『じゃ、』だ。てめっ、ボコされてぇか。どっちかっつったら、玄人(くろうと)童貞だわ」
「へぇ……米山って、風俗とか行かないんだ」
「お前なぁ……」
地鳴りのように低く唸り、米山はとうとう箸を置いた。
「怒った?」
じぃっと米山を見詰めて、恐る恐る尋ねてみる。けれども内心はわくわくだった。
だって米山、いつも感じ悪いし不機嫌だけど、私が何を言っても怒ったことがない。今までに一度も、本気で怒ったところを見たことがない。
二カッと満面の笑みで謝れば、不快そうに眉根を寄せて「気持ちわりぃ」と言われた。
「米山は? 人肌恋しくないの?」
「季節関係なく、年中恋しいわ」
よっしゃぁー! と心の中でガッツポーズ。
けれど、極力平静を装って続けた。
「米山、彼女いないんだ?」
「だったら何?」
「もしかして童貞?」
「んな訳ねぇだろ。バカじゃねぇの?」
「じゃ、素人(しろうと)童貞?」
「何が『じゃ、』だ。てめっ、ボコされてぇか。どっちかっつったら、玄人(くろうと)童貞だわ」
「へぇ……米山って、風俗とか行かないんだ」
「お前なぁ……」
地鳴りのように低く唸り、米山はとうとう箸を置いた。
「怒った?」
じぃっと米山を見詰めて、恐る恐る尋ねてみる。けれども内心はわくわくだった。
だって米山、いつも感じ悪いし不機嫌だけど、私が何を言っても怒ったことがない。今までに一度も、本気で怒ったところを見たことがない。