「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
ああ私――

米山のことが好きだよね。



向こうは私のこと、女だとさえ認識していないのに。



「よし、これさっさと食べて、クリスマスツリー出そっと」

切なさを吹き飛ばそうと、自分自身に言い聞かせるように大きな独り言を口にした。そうして手にしているオニギリに、思いっきりかぶり付いた。



「なんなん、お前?」

などと不満げにこぼしながらも、ふっと目を細めて緩く笑んだ米山を、私は見逃さなかった。






昼食(と言ってもコンビニのおにぎり二つ)を終えて、歯磨きも済ませたけれど、お昼休憩はまだ30分も残っていた。


米山もお弁当を食べ終わり、自分の席に腰掛けたままアイフォンを弄っていた。大きな半身を仰け反るようにして背もたれに委ね、長い足を自慢げに投げ出して。

偉そうに、何様だよ。


そんな彼を尻目に、詰所を後にした。


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