「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
倉庫から箱に入ったクリスマスツリーを引っ張り出し、薄っすら白く積もった埃をその場でコッソリ払い落した。
デイルームは、まだまだお食事タイムの真っ只中。
その横のテレビ視聴スペースには、いつもの様に花恵さんが居た。既に食事は食べ終え、顔の前で両手を合わせて、丁寧にお辞儀をしていた。
「花恵さん、ごちそうさま?」
身を屈め、彼女の顔を脇から覗き込んで尋ねた。ニッコリ微笑んで頷くのを見届け、トレイを両手で持ち上げた。
下膳ワゴンの上にそれを置き、代わりに台拭きを手にして、またテレビコーナーへと戻った。テーブルの上を念入りに拭く私を、花恵さんは黙ったままポカンと眺めていた。
「これは何でしょう?」
取り敢えずソファーの上に置いておいたクリスマスツリーが入った箱。フロアに両膝を落として、その蓋を開けながら花恵さんに問いかけた。
「何だろうねぇ」
ふわふわした満面の笑顔で、だけども大して興味もなさそうに、花恵さんは返す。
「じゃじゃーん」
一人で勝手に盛り上がる私と、すっかり置いてけ堀の花恵さん。
でも負けない。職員と入居者さんの間に多少の温度差があったとしても、それは仕方がないこと。
デイルームは、まだまだお食事タイムの真っ只中。
その横のテレビ視聴スペースには、いつもの様に花恵さんが居た。既に食事は食べ終え、顔の前で両手を合わせて、丁寧にお辞儀をしていた。
「花恵さん、ごちそうさま?」
身を屈め、彼女の顔を脇から覗き込んで尋ねた。ニッコリ微笑んで頷くのを見届け、トレイを両手で持ち上げた。
下膳ワゴンの上にそれを置き、代わりに台拭きを手にして、またテレビコーナーへと戻った。テーブルの上を念入りに拭く私を、花恵さんは黙ったままポカンと眺めていた。
「これは何でしょう?」
取り敢えずソファーの上に置いておいたクリスマスツリーが入った箱。フロアに両膝を落として、その蓋を開けながら花恵さんに問いかけた。
「何だろうねぇ」
ふわふわした満面の笑顔で、だけども大して興味もなさそうに、花恵さんは返す。
「じゃじゃーん」
一人で勝手に盛り上がる私と、すっかり置いてけ堀の花恵さん。
でも負けない。職員と入居者さんの間に多少の温度差があったとしても、それは仕方がないこと。