「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
順麗子さんのそのまた隣の(高橋)トキさんが、順麗子さんのデザートのプリンをスプーンですくって召し上がっていた。

それがあたかも当然のように涼しげに。


米山に優しく注意されたって、もちろん悪びれるでもなく。



「はぁ……」

米山と二人して思わずこぼした溜息。


こんな時だけ無駄に意気投合。

ああ……米山の二重瞼といい、この世は本当に無駄なものばかりだ。



ふと、右隣の信(のぶ)さんに視線をやれば、手掴みでワッシャワッシャ食べていた。


ガムシャラにワイルド。



「信さん、スプーンで食べよう」

(せめてスプーンで)


信さんの右手にスプーンを握らせれば、

「うるさい、触んな、バカヤロー!」

怒声を勢いよく吐いて、私の手を払い除けた。


その拍子に器が一つ跳ねあがり、インゲンの卵とじを思いっ切り胸に浴びた私。


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