「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
志賀さんは、五十代後半の女性だ。事情は知らないけどバツイチで、お子さんはもう既に自立しているから現在一人暮らしだとか。



志賀さんは多分、米山と私が苦手なんだと思う。

自分が一緒に休憩をとりたくないヤツ二人を一気に片付けてしまえ、的な……?





詰所にて、二人っきりでの昼食。


今日は珍しく手作りではなくコンビニ弁当だ。さては、朝ギリギリまで寝ていたな。



やっぱり米山から話し掛けてくることはなく。でもそれはいつものこと。


私は私で、何を喋ったらいいのかわからなくて、だんまりを決め込んでいた。



「なぁ、」

弁当を食べ終えた米山が唐突に口を開く。


「は……い……?」

ピクッと身体を跳ねさせて背筋を伸ばし、米山を見た。


目が合うと米山は、どこか困ったような苦笑をフッと浮かべて立ち上がる。そして、座っていたキャスター付きの椅子をコロコロコロコロ滑らせながら連れて、私のすぐ横までやって来た。


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