ごめんね・・・

甘えん坊

岳瑛は本当に甘えん坊だった
ある日、部活が終わってバスを待っているときに
「ねぇ」
と、小さな声で岳瑛が呼んできた
「どうしたん?」
「手、繋ぎたい・・・」
「ダメだよ、皆がいるんだから」
私は1回断ったけど、岳瑛はそんなことお構いなし
岳瑛は江理の手をとって、手を繋いできた

岳瑛が帰るために乗るバスが来たから、
「岳瑛、帰らないと」
「江理が帰るまで帰らない」
そう言って駄々をこねていた
「岳瑛、ダメだよ。乗って帰らないと」
「ヤダ!!!」
岳瑛は本当に江理が帰るまで帰らなかった
バスの中で聡美に
「江理、岳瑛なんでバス乗ってなかったん?」
「江理が帰るまで帰らないんだって」
「岳瑛、優しいねぇwww」
「でも、江理のせいで遅くに帰ったら、岳瑛のところの親が心配するよ」
バスの中で話したことは、岳瑛には一応伝えたが、岳瑛はそんなこと関係ないというような感じで、私が帰る時間の前のバスには乗らなかった

冬に江理と岳瑛と聡美と聡美の彼氏と、一緒に遊ぶことになっていた
・・・が、聡美の彼氏は、約束をしたのに来なかった
聡美は怒って気分をスッキリさせるためなのか、私と一緒にプリをたくさん撮った
そして、聡美は落ち着いたため啓文社に行った
聡美は携帯小説のほうに行って、真剣に読んでいた
私は、小説のほうに行って本のあらすじや文頭を読んでいた
私が読んでいるときに、誰かが服の袖を引っ張った
引っ張ったのは岳瑛だった
「江理、手」
「手?」
私はそんなこと言われても何のことかよく分からなかった
私の頭の上には、「?」がたくさん出てきた
岳瑛はそれを認識したのか、岳瑛から私の手を取り、手を繋いできた
私はそのことかと思って岳瑛の手を握り返した
そしたら、岳瑛は嬉しそうな顔をして本を見ていた
啓文社で手を繋いでから、私たちは帰るまで手を離さなかった
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