殺めたいほど愛してる。
全部、気付いていた。何もかもわかっていた。
三つも年下の彼は、私よりずっとずっと大人で。
彼が立ち上がれば、まるで私は幼女のように見下ろされるんだ。
「最初から私は、あなただけのものじゃない」
そう言って、子どもみたいになりふり構わず泣きじゃくる私を、彼は躊躇うことなくその胸に抱いた。
「うん……」
ポトリと頭の天辺に落とされた彼の小さな頷きは、そこから染み込んで、私の身体中を不思議な心地良さで満たした。