【完・短編】届かないラブレター。


授業中、珍しく起きてるときは。


基本、私へのちょっかいのオンパレード。



『やめてってば』とかちょっと怒り気味にいつも言ってたけど、そんなこと思ってた時なんて一度もなかったんだ。



イライラしてる時だって、悲しいときだって。




いつだって、貴方には敵わなかった。




『嬉しいくせに』って意地悪く微笑むんだもん。




『ばーか』って言いながら私がどれだれ必死にドキドキを隠してたか知らないでしょ?



まぁ、知ってたら困るんだけどね。





『ねぇ~、ここ教えてよ~』

『髪いじらせて~?』

『無視すんなよ、寂しいだろ~?』

『構え、構え、構ってください』

『もーいい。拗ねるもんね。えいっ!消ゴム投げてやる』



分かっててあんな事言われてたら、期待しちゃうから。





今更期待したって遅いんだけどね。






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