【完・短編】届かないラブレター。
身勝手な嫉妬だったことは分かってる。
分かってるよ?
分かってるんだけど。
それよりも私は、私のこの気持ちを分かって欲しかったの。
休み時間になると千菜のもとへ行くその背中を見送るのが…辛かったの。
だから仁が、千菜の筆箱を取って困らせてるといつだって私は『いくら千菜が可愛いからって苛めないの』って仁から筆箱を奪って千菜に返した。
仁と千菜が話してると千菜の近くの席の子に話しかけに行って会話に入るちゃんすを待った。
ポンポンと千菜の頭を優しく撫でて笑う仁を見て、千菜を睨んだことだってあったと思う。
好きになってほしい……
その思いはだんだん
私を嫌な女に変えていった。