【完・短編】届かないラブレター。

次、は……さっき席替えの話したから授業中の話をするね。



ずっと前後ろだったから、プリント回すことなんて一日に何回もあって。




でも、仁。



貴方は授業中に起きてることなんてなくて。



逆に起きてたら軌跡みたいな人だったから。



私が前だったら私が仁の後ろまで回して。


ほんとは寝てる仁の背中に乗せても良かったんだけど、ほら私優しいから。



………嘘です、はいごめんなさい。




仁に優しいって思われたかったんです。




私が後ろだったときもそう。




仁の所までプリント取りに行って。




しばらくしてプリントの存在に気付いて私を見て『ありがとな』って優しく笑う仁が大好きでした。









< 9 / 56 >

この作品をシェア

pagetop