【完・短編】届かないラブレター。
次、は……さっき席替えの話したから授業中の話をするね。
ずっと前後ろだったから、プリント回すことなんて一日に何回もあって。
でも、仁。
貴方は授業中に起きてることなんてなくて。
逆に起きてたら軌跡みたいな人だったから。
私が前だったら私が仁の後ろまで回して。
ほんとは寝てる仁の背中に乗せても良かったんだけど、ほら私優しいから。
………嘘です、はいごめんなさい。
仁に優しいって思われたかったんです。
私が後ろだったときもそう。
仁の所までプリント取りに行って。
しばらくしてプリントの存在に気付いて私を見て『ありがとな』って優しく笑う仁が大好きでした。