バリの恋人
プロローグ
ちょうど今、ウングライ空港に着陸するシンガポールからのジェットがサヌールの上空を通過中だ。ここはバリ島サヌールという漁港にあるカフェ。カフェの名は「マルシェ」。そして、ここを経営しているのは、私こと、江藤ユージ、29歳、独身、彼女は?人いる。マルシェには現地人の女の子4人を雇っている。今日はティナとルーディが出てきてくれている。ティナは19歳、バリ島芸術大学の女子大生、ルーディは24歳、やはり地元の実津業大学を卒業して、いまマルシェでアルバイトしている。おれは、この時間つまり夕日が沈むにはもう少し時間がいるが、まったりとしていながらも、街が休息を取りつつある一方で、アルコールと男女のお騒ぎの準備をしているかのような時間が好きだ。
明後日には、日本の関西国際空港経由で、福岡へと戻らなければならない。バリ島への集客の営業と彼女に会うためだ。おれは、旅が好きだ。旅の途中はある意味何も予定が決まっていない。未知の時間がそこにあるからだ。だから、本当は、あてもなく、旅をしたい。行先も決めていないままに、出発し、あてもなく宿を決め、あてもなく朝飯を食い、あてもなくぶらぶらをさまよい歩くのだ。その中で、自分を好きになって、自分の友達も好きになるんだ。でないと、おれはいつも人を嫌いになったままだ。
明後日には、日本の関西国際空港経由で、福岡へと戻らなければならない。バリ島への集客の営業と彼女に会うためだ。おれは、旅が好きだ。旅の途中はある意味何も予定が決まっていない。未知の時間がそこにあるからだ。だから、本当は、あてもなく、旅をしたい。行先も決めていないままに、出発し、あてもなく宿を決め、あてもなく朝飯を食い、あてもなくぶらぶらをさまよい歩くのだ。その中で、自分を好きになって、自分の友達も好きになるんだ。でないと、おれはいつも人を嫌いになったままだ。