黒薔薇王子
第1章
王子と出会い ~乃愛side~
「キャーッ!!濡れる濡れるっ!!」
カバンを頭の上で持って、急いで学校までの道を急ぐ。
ここから学校まで約100メートル。
よし、走って行けばなんとか濡れずに……済まないけど。
でも歩いたらもっと濡れちゃうから走る!!
足場が悪くても、今にも滑って転びそうでも、そんなの構ってられなかった。
一刻も早く学校に着かなきゃ……!!
あたしの頭の中はそれしかなくて、ただ一心不乱に走った。