黒薔薇王子
「ハァッ…ハァッ…ハァッ……。」
ふぅ……やっと学校に着いた!!
チラチラ
ザワザワ
ん??
んん??
すれ違っていく生徒の視線が痛い。
なんで??あたし何かした……??
何事かと思いながらも、あたしは教室のドアを開けた。
「おっはよー!!」
毎朝決まってやる、クラスみんなに向かっての挨拶。
「おはよ……って、乃愛!?」
「あっ、凛!!」
「その格好どうしたの!?髪も濡れてるし、服も……透けてるし。」
「あーこれねー、って……えぇっ!?」
親友の凛に言われて初めて今の自分の姿を見た。
髪も制服もびしょ濡れ、スカートなんか絞ったら床が水浸しになるかも。
おまけに……あたしの今一番お気に入りのピンクの下着様が透けていらっしゃる。
「っっっ!?!?!?」
どうしよう……!?
ふと教室を見渡すと、やっぱり目立つのは男子のいやらしい目。
泣きそうになっていると、誰かがあたしの手を引っ張った。
「とりあえず更衣室でジャージに着替えに行くよ!!」
「う、うんっ!!」
あたしの手を引っ張ったのは凛だった。
凛に引っ張られるがままあたしは走った。