雨の日に、キミと一緒に創るエロ。
「絵は魅力的なのに、ストーリーがねぇ・・・」
何度目だろう。 編集部に行き、今日も担当にボツを言い渡された。
そんなワタシの現状は、原作のある物語を漫画にする事だ。
だから、発売されている単行本には原作者の名前とワタシの名前が並んでいる。
未だに単独で本を出した事がない。
そんな原作付きの漫画が、次号で最終回を迎える。
ここぞとばかりに自分の漫画を売り込むが、敢え無く玉砕。
しかも、
「篠崎先生の次回作、もう原作決めましたから」
ワタシのストーリー下手を知っている担当は、早々次の仕事を用意していた。
仕事が無くならない事はとても有難い事。
でも、担当から『これです』と手渡された原作は、
「篠崎先生には、次から少女誌ではなく青年誌で『溺れる主婦』を連載して頂きます」
官能小説の様なものだった。
ワタシの書きたい漫画は青年用ではなく、小中高生をターゲットにした青春少女漫画だ。
ワタシのやりたいことでは、ない。
「・・・2、3日考えさせてもらえませんか?? そっちのジャンルは描いた事がなくて・・・自信がありません」
担当に頭を下げると、ボツになった原稿を胸に抱きしめて編集社を出た。