16の月-過去に戻れたら‥【完結】
「……。」
「…どうしたの?」
と高宮さんの肩に手を置こうとした俺の手を、
力強く振り払った…
俺は、予想もしなかった行動に驚く…。
高宮さんの小さな口が震えながら開いた…
「…謝るだなんてそんな簡単に言わないで…
私…あんな事があって‥それでも毎日学校へ行って…
先生に自主退学を勧められたけれど‥
お母さんが‥せめて高校だけは出て欲しい、負けないで欲しいって
土下座までして先生に頼み込むから‥
私も頑張ってた‥
お母さんとだって‥お通夜にも顔を出した…
あんな目に遭わされたって当然の事だって
ひたすら耐えて…
どんな事をされたって…
耐えれると思ってた…」
高宮さんが俺の顔を見つめる…
「だけど…だけど…貴方の言葉で…貴方の言葉で…私は…私は…」
ボロボロと涙を流す…
「貴方に何も望まなかった‥
あのまま見て見ぬふりをしていたって構わなかった‥。
だけど‥
頑張れ、行くなって言って欲しかった…
貴方の口からあんな事、聞きたくなかった!!!」
最後は大きく叫んで…
走り去って行った…