16の月-過去に戻れたら‥【完結】
コンクリートの階段を1つ1つ力なく登る。
もう少しで俺の部屋へと辿り着こうとした時‥
里美が立っていた…
「もぉー!修吾ったら何してたのー?電話にも出ないしぃ~」
「…。」
「なになに~?修吾、超暗いんだけどぉ。キャハハ!!」
里美のテンションがうざい…
「…ごめん…今日は帰ってくれないか‥」
「ええー?なんでぇ?せっかく来たのにぃ。
大丈夫!修吾、超暗いから里美が癒してあげる!」
そう言って、俺の手から鍵を引ったくり、鍵穴へ差そうとした。
「…いいから、帰れ。帰ってくれ…帰れ!!!」
ついつい…
怒鳴ってしまった…
里美がビックリして泣きそうな顔になった。
「修吾の馬鹿!!」
と言って駆け出して帰って行った…
キィーっと音がして、隣から中野が恐る恐る顔を出した…
「修吾…どうしたんだよ…」
中野を無視し、家の扉を閉めた。