16の月-過去に戻れたら‥【完結】
*************
扉を叩く。
中野の家だ。
眠そうな顔をして中野が顔を出した。
「…よう‥修吾、まあ入れよ‥」
俺の部屋の何倍、何十倍と言っていいほど汚れた部屋に足を踏み入れる。
中野が珍しくインスタントのコーヒーを出してくれた。
昨日の里美との事を気にしているのかもしれない。
俺の前に座る。
「なんか、話しあるんだろ?」と中野がコーヒーを飲む。
さすがに、親友歴も長いとよく解るみたいだ。
俺はコクリと頷く。
「里美の事じゃないんだ…」
と言うと、中野の眉毛がピクリと動いた。
「…じゃあ…もしかして…高宮さん?」
中野の言葉に頷く。
高宮さんの事を相談出来るのは、むしろ中野しかいなかった‥