16の月-過去に戻れたら‥【完結】
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≦ガタンガタン‥≧
古びた電車が2人を大きく揺らす。
車両はガラ空きで、座る所は沢山あるのに
あえて俺達は座らなかった。
何故なら、高宮さんが食い入るように風景を見入っていたからだ。
俺は高宮さんの横顔を見つめる。
今日一日、高宮さんが言葉を発する事はなく、
俺が聞いたのは、オバサンに言った一言だけだった。
今、高宮さんは何を思い、何を感じているのだろうか…
胸の内を話さない高宮さんの気持ちを知ることは出来なかった。