16の月-過去に戻れたら‥【完結】

「俺さ‥里美と別れようと思うんだ…」
弁当を食べながら俺は言う。


高宮さんの箸を持つ手が止まった。


不安そうな顔で俺を見つめる。


俺は慌てて「いや、高宮さんのせいじゃないんだ」と
手を振る。



「俺さ…気がついたんだ。毎晩毎晩、高宮さんの事だけを考えてた。

初めは、好奇心だったのかもしれない、嫌、同情だったかもしれない。

だけど、高宮さんにどんどんと惹かれて行く自分がいたんだ。

もう後戻りは出来ない‥。

だから、どんだけ拒絶されても高宮さんと話しがしたかった。

今、こうして居られるのが信じられないくらい‥嬉しいよ。」


高宮さんは、少しホッとしたような、
悲しそうな顔で微笑んだ。



「だから、遠慮なくここに居てくれよ。

俺まだ、ちっぽけな人間だけど、守るから、

今度こそちゃんと守るから。」


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