16の月-過去に戻れたら‥【完結】
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「じゃあ、俺、大学行って来る。なるべく早く帰って来るから。
あ、そうだ、何かいるものあったらメールして。」
と言って気づく。
「…携帯持ってないか‥。」
高宮さんは頷いた。
「じゃあ、まあいいや。帰ったら一緒に何か買いに行こう。」
高宮さんはニコリと微笑んだ。
ドアノブに手を掛けようとして…振り返る。
高宮さんは首を傾げた。
俺は、高宮さんの手を握った。
「…ちゃんと、待ってろよ。」
そう言って、細く華奢な手を握りしめた。