16の月-過去に戻れたら‥【完結】
思わず‥
俺は、駆け寄り里美の頬をひっぱ叩いた。
里美が頬を押さえ俺を睨みつける。
「自分の事は棚に上げて殴るんだ‥二股掛けたくせに!!」
「…悪かったとは、思ってるよ…でも、でも…
高宮さんに‥こんな事までする必要なかっただろ‥?
アイツは何も悪くないのに…なんで…
こんな事…こんな酷い事出来るんだよ!!」
悔しくて‥
悔しくて‥
守ってやれなかった自分が情けなくて‥
守るからって約束したのに‥
涙が溢れかえる…
「‥出て行け‥出て行けよ!!」
膝がガクガクする…
壁に寄りかからないと立っていられないくらい‥
「アンタ最低‥」と光本さんが言って、里美を連れて出て行った‥。
バタンと背後で音がして、俺のすすり泣く声しか
聞こえなくなった‥。