16の月-過去に戻れたら‥【完結】
家に帰ると、中野が待っていた‥。
「高宮さん、見つからなかったのか?」
俺は頷く…。
「帰り道で、里美ちゃんと光本さんと会ったよ‥
どうやら、高宮さんを追い出したらしいな‥
酷い事するよな‥女ってやっぱこえーわ‥。」
中野が俺の背中を「元気だせよ」と言って
俺の部屋から出て行った。
呆然となりながら、自分の右手を見つめる…。
今日の朝までここに居たのに‥
高宮さんの手も握ったのに…。
狭い台所には、お揃いのティーカップが2つ並んであった。
全ての物が歪んで見えた…
…霞んで熱い雫が零れ落ちる‥
高宮さん…
高宮さん……
ごめん…