16の月-過去に戻れたら‥【完結】
僕のクラスに入ると、クラスでもその話題で持ちきりだった。
中野が再び、僕に話しかけてくる。
「なぁ、お前どっちの味方?」
「どっちの味方って‥そりゃ‥吉村さんも可哀想だけど‥、
高宮さんだってある意味、被害者なわけだし‥」
‥と言った瞬間、クラス中の視線が僕に突き刺さった。
痛い視線というか、白い目で見られている気がする…。
木下ってやつがヘラヘラと笑いながら僕に近づいて来る。
「なあ、水池、お前さ高宮と付き合ってたんだろ?」
「…。」僕は俯いた。
「だってさ、高宮とお前が一緒にいるの見たって奴いるんだよ。
デートしてたんだろ?デート!
お前も高宮と共犯だったりして~キャハハハ!」
僕は思わず、木下を睨みつけた。
「おおー!怖い怖い!俺こ・ろ・さ・れ・る~!」
立ち上がり一発ぶん殴ってやろうかと思ったが…
授業のチャイムが鳴ってしまった。
渋々、席に座る。
僕の心中は、苛立ちだけが募っていた。