16の月-過去に戻れたら‥【完結】
*************
広いグランドに日差しの強い太陽。
それはいつもと変わらない土曜日だった。
「よし、休憩」コーチの号令で俺達は休憩に入る。
夏の暑さは堪える‥
喉が乾き水をがぶ飲みする。
「水池~お前、名前は涼しいのに暑苦しいよな‥」
キャプテンが俺をからかう。
「は、はい・・すいません」
確かに人よりも多く動く俺は、沢山汗をかき、ユニホームは
すでに色が変わるほどグッショリとしていた。
「先輩、少し冷やして来ます。」
俺はそう言い、水道のある場所へと向かう。
ユニホームを洗い絞っていると
「パパ~!」と2,3歳くらいの女の子が
同じサッカー部の竹下さんに駆け寄っていた。
そう言えば、竹下先輩には女のお子さんが1人居るって聞いてたな。
竹下さんは同じ会社の先輩で、メガネを掛けたおっとりとした人だった。
あまり目立たないがチームでも頼り甲斐のある先輩だ。
微笑ましいな、と目を細め笑う。