16の月-過去に戻れたら‥【完結】
「ねぇ、ちょっとあんた。」
不意に声を掛けられ振り返る。
そこには、吉村さんとその取り巻きが4人立っていた。
「ねえ、あんたさ、高宮と付き合ってたんでしょ?」
やはり噂が流れるのは早くて、さっき僕のクラスで話していた事が
筒抜けのようだった。
「ねえ、高宮、今日休んでるんだけどあんた何か聞いてない?」
「ねえ、聞いてるの?」
と取り巻きの1人が僕の肩をつかむ。
「知らない…」
「知らないって、あんたさー吉村さんがどんな目に遭わされたのか
知ってるよね?高宮から何か聞いてないの??」
僕が聞きたいくらいだ…
一体、何がどうなっているのか‥
「僕には関係ないから。」
そう言って、取り巻き4人の間をぬぐい教室へ戻った。
チッと舌打ちが聞こえたけれど、無視をした。
それから、僕は教室でもひたすら口を噤んだ。
ひたすら「関係ない。」と言い張って…。