16の月-過去に戻れたら‥【完結】



「なぁ…俺、苦しかったよ。ずっとずっと、高宮さんに会えなくて。
自分だけ手紙よこしてさ、俺だって言いたい事沢山あったのに‥」



「ごめんなさい‥」と高宮さんが俺の腕の中で呟いた。



「もう‥俺の事、忘れてしまってた・・・?」



抱きしめたまま、俺は高宮さんの気持ちを確かめる。



高宮さんに、
ドクンドクンと心臓の音が聞こえてしまうかもしれない‥




だけど、


だけどやっぱり聞きたかった‥。




高宮さんからは‥返事はなかった‥。



「なあ‥もう一度、もう一度だけ俺の事を好きになってくれないかな・・」



力を込めてもう一度、高宮さんを抱きしめた。


高宮さんはコクリと頷き


「もう一度なんかじゃなくて‥ずっと好きでした‥」


と俺の背中に手を回した。






「もう、今度こそ‥一緒に、ずっと一緒に居れるよな‥?」


高宮さんはコクリと頷いた‥。





やっと‥


やっと‥捕まえた




ずっとずっと手の届かなかった人を

捕まえた…






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