16の月-過去に戻れたら‥【完結】

*************





【公園にて】


「ねえ、ここ覚えてる?」


「覚えてるさ。高宮さんが俺を怒鳴り散らしたところ」


「ははっ、あまりいい思い出じゃないね‥」



高宮さんが少し悲しそうに笑った。



「大丈夫、これからここはいい思い出に変わるから。」



俺はそう言って高宮さんの頬にキスをする。


「そうだ、今度ここで結婚指輪を渡すよ。」



「‥?そう言うのってサプライズで、
ビックリさせるようなものじゃないの?」

と少女のように笑う高宮さん。



16歳の時の高宮さんの笑顔と重なった‥




「ビックリなんてさせないよ。全部打ち明ける。
俺はもう全てをさらけ出すんだ。じゃないと不安に思うだろ?」



「なーんだ、全部さらけ出しちゃうのか‥」とクスクスと笑った。



「なあ、過去なんて消せないよな‥でも上書きは出来るはず‥
過去が思い出せないくらい幸せにするから。」





高宮さんは、目に涙を浮かべて笑った。








< 198 / 205 >

この作品をシェア

pagetop