16の月-過去に戻れたら‥【完結】
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【公園にて】
「ねえ、ここ覚えてる?」
「覚えてるさ。高宮さんが俺を怒鳴り散らしたところ」
「ははっ、あまりいい思い出じゃないね‥」
高宮さんが少し悲しそうに笑った。
「大丈夫、これからここはいい思い出に変わるから。」
俺はそう言って高宮さんの頬にキスをする。
「そうだ、今度ここで結婚指輪を渡すよ。」
「‥?そう言うのってサプライズで、
ビックリさせるようなものじゃないの?」
と少女のように笑う高宮さん。
16歳の時の高宮さんの笑顔と重なった‥
「ビックリなんてさせないよ。全部打ち明ける。
俺はもう全てをさらけ出すんだ。じゃないと不安に思うだろ?」
「なーんだ、全部さらけ出しちゃうのか‥」とクスクスと笑った。
「なあ、過去なんて消せないよな‥でも上書きは出来るはず‥
過去が思い出せないくらい幸せにするから。」
高宮さんは、目に涙を浮かべて笑った。