16の月-過去に戻れたら‥【完結】
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1限目の授業が終わり、僕達は移動する。

移動するときに、A組のクラスの前を通る。


チラリと横目で見ると、クラスの人だかりの中にやはり高宮さんが居た‥


高宮さんの机の上が、真っ黒の油性ペンで落書きされているのが見えた。

もう遠目で見ても、机が真っ黒にしか見えなくて、
大体何が書かれているのかは予想もついた。



僕は、見て見ぬふりをする…




中野が僕の背中を叩いた。
「水池、お前、気にするな。仕方ない事だしさ‥」



中野が、僕の言い訳をはっきりと言ってくれた
お陰で僕の心は少しホッとした。



加害者と被害者が同時にいる学校で、
加害者側が責め立てられるのは当たり前の事だ…。






僕に出来る事なんてなにもないのだから‥

そう僕は自分に言い聞かせた。


言い聞かせていたんだ‥。

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