16の月-過去に戻れたら‥【完結】
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授業が終わり、帰り支度をする。

先生が教室へ出たのを合図に、こっちのクラスも隣のクラスも
たった1人の方へ集中する。



僕の教室は一斉にガラ空きになり、その代わりに再び朝の廊下のように
人だかりが出来ていた。



僕に出来る事は、こいつらのように傍観者にならない事‥



僕は鞄を持ち、人だかりをぬぐって帰ろうとした。



A組の前を通る。

A組からは耳を貫く程の笑いが起きている。



高宮さんは机に顔を伏せたまま。

ある奴は、高宮さんの髪をグシャグシャに掻き毟り

そしてある奴は、高宮さんにゴミや黒板消しを投げつけていた‥。

高宮さんの制服がみるみる黒板消しで真っ白になっていても
高宮さんはされるがままだった。



僕の心臓がチクリと痛んだ‥





だけど…


それも見て見ぬふりをした…。
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