16の月-過去に戻れたら‥【完結】
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翌日
やはり、朝のこの時間は気が重い。
高宮さんと出会ったりしなければ僕もこいつらと同じ
ただの傍観者となれたのに。
出会ってしまった事を後悔する。
もう、高宮さんは学校へ来ないほうがいいのではないか…とも思えた。
それなのに…
高宮さんは今日も学校へ来ていた。
髪はボサボサに引きちぎられ、
背中には【盗人、ゴミ、殺人犯の娘、ダニ】等と書かれた貼り紙が、
至るところに貼ってある。
スカートから、ちらりと覗く白い足には、無数の青アザがついていた‥
一番最初に出会った、高宮さんと同一人物なのかさえ疑いたくなる‥
あの頃は、透き通った白い肌にセミロングの髪がサラサラとなびいていて
切れ長の笑った目がとても綺麗だったのに‥
ヨタヨタと俯いて歩く、高宮さんを追い越した‥
僕には関係ないのだから‥と。