16の月-過去に戻れたら‥【完結】
「…あぶないだろ‥やめ‥」
「やめろよ」と言いかけて僕は止まる。
あの屈辱的な3日間が頭をよぎったのだ‥
ここで高宮さんをかばうと…
またあの状態になるのかもしれない‥
イジメられているやつが、次のターゲットにイジメが移ると
ホッとしているような…あの気持ち…
そのうち【ゴツッ!!】と大きな音がした。
僕は、その音に驚き高宮さんの方を見た。
小石のはずが‥そこそこ大きな石になっていたんだ‥
高宮さんが後頭部を抑えうずくまった‥
吉村さんと取り巻き達が「ざまーみろ」と言いたげに
高宮さんを追い抜かしていく…
高宮さんの頭を抑える手の隙間から…
真っ赤な鮮血が流れ出していた…
足元にポツポツと赤い染みを着けていく‥