16の月-過去に戻れたら‥【完結】
僕は思わず駆け寄る…
「…高宮さん!!大丈夫?!」
いくらなんでもやり過ぎだろ…
人の血なんて見るの初めてだったから…
ハンカチをポケットから出そうとするが、手が震えて
出てこない…
高宮さんは…
うずくまったまま、「ううぅ・・あぁぁ・・」
と大きく声を上げて泣いた…
今まで我慢していた涙を全て出し切ったかのように。
大粒の涙をボロボロと…
「だ…誰か‥」
と言って辺りを見回す。
全ての生徒が見て見ぬふりをして足早に、
僕達2人を追い抜いて行った…
中野の姿も捉えたが‥申し訳なさそうに目を反らされた。
ここで高宮さんに手を差し伸べる人なんて誰もいない…
いないんだ…