16の月-過去に戻れたら‥【完結】
僕達2人だけになった。
ツンと消毒液の匂いが立ち並ぶ部屋で
高宮さんのすすり泣く声だけが響く。
チラリと高宮さんの腕に目を移すと、無数の傷に青あざが
沢山ついていた…
こんな事されてまで学校に来るなんて‥
意地なのか、なんなのか‥
僕には理解出来ない…
「…水池君‥ごめんね…」
小さく呟く声が聞こえた。
「め…迷惑掛けたよね‥そんなつもりはなかったんだ‥
…だけど私…」
と言いかけた高宮さんの言葉を遮って言った…
「もう、やめろよ。学校を。」
‥と。
その方が、高宮さんの為にも
【僕】の為にもいいから‥
「………。」
高宮さんは、一瞬ピクリとなったが、
何も言わずまたボロボロと泣きだしていた‥