16の月-過去に戻れたら‥【完結】
「美優ちゃん、2日ぶり!元気だった?」
中野が佐藤さんに飛びつく。

とりあえず、光本さんと佐藤さんのどちらかが
高宮さんの事を知っているのは確かだ。

「あ、あの…この前一緒にいた、石野さんていう子知り合いなのかな?」
俺はいきなり本題へと入る。


「うん、知ってる子だけど?」そう答えたのは光本さんだった。


「あの‥石野さんって大学生なのかな?いや‥同じ大学だとしても
初めて見る顔だし、どうなのかなぁーっと‥」


里美が不思議そうに俺の顔を見つめる。


「あはは、違うしぃー。あの子、大学どころか高校も行ってないから!」
そう言って笑う光本さん‥

「…そ、そうなんだ‥でも友達なんだよね?」


「うーん‥友達っていうか、アタシのパパが経営している工場の従業員?
みたいな。パパがアタシと同級生だしって事で、
結構かわいがってるみたいなのあの子の事。
だけどアタシも実はというとあんまりよく知らないんだ~」
そう言って光本さんは指先でクルクルと髪を巻いた‥


「…そうなんだ。ありがとう…」
と俺は一応お礼を言う。


「あ、そうだ。」と言って光本さんは何かメモを取り出した。
サラサラとペンを走らせる。


「ここにさ、パパの工場があるの。
よかったら行ってみて。何かわかるかも」




住所が書かれたメモを渡された。


再びお礼を言って、ポケットへ仕舞いこんだ。


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