16の月-過去に戻れたら‥【完結】
「ちょっとぉー由香里、いい加減にしてよ。
シラケちゃうじゃない!」
光本さんが高宮さんを、手でドンと押した。
その弾みで、高宮さんは椅子から落ち膝をついた‥
高宮さんが‥
あの4年前と同じ時のように
俺の頭の中でフラッシュバックする‥
「土下座しろよ」「キャハハハ」「死ね」…
あの時俺は、何も出来なかった‥
でも今は‥
今は‥?
俺は、思わず立ち上がる‥
今は、違う‥
立ち上がった俺を里美も佐藤さんも光本さんも驚いた顔で見上げた。
「修吾、どうしたの?楓は冗談のつもりだったし、大したことないって・・」
里美が俺を心配そうに見つめる。
「そ、そ・・由香里大丈夫だよね?」
と光本さんは高宮さんに言う。
高宮さんはホコリを払い立ち上がっていた。
「大したことないってぇ~」
と引きつり笑いをする里美
「・・・・」
シーンとなるその場…
【傍観者】という言葉が頭の中でグルグルと回転する…
「ちょっと来て」
俺は高宮さんにこう言い、
高宮さんの腕を掴み、気がつくと店から飛び出していた…。