16の月-過去に戻れたら‥【完結】
俺は言葉に詰まる…
ドクン
ドクンと心臓が激しく打つ‥
胸が締め付けられたようで苦しい…
やっと出た言葉は…
「‥ああ…そうだね‥俺‥
何も高宮さんの事解らないし‥解りたくもないしね…」
何故‥またこんな言葉を言ってしまったのかは解らない‥
だけど、高宮さんの強い眼差しで見つめられると、
心が素っ裸にされたような感じがして…
あの時‥
【お前はただ見ていただけじゃないか】
と過去の俺を責められた気がして
強がってしまったのかもしれない…
フンと鼻で笑った高宮さん。
「じゃあ、もう私に二度と関わらないで。
あの時のようにずっと無視してて。」
そう言って背を向けた。
そしてそのまま、帰って行った…
【あの時のようにずっと無視してて】
繰り返し俺の頭の中で流れる。
俺は‥呆然と高宮さんの後ろ姿を見つめていた…