16の月-過去に戻れたら‥【完結】
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電車に乗り込む。
1度来たから、もうメモを見なくても場所は解る。
電車の中で、次々と変わる風景を見つめながら、
「そんな事を聞いてどうするんだ」
と言う自分と
「でも、聞きたい、知りたい。聞いて安心したい。」
と言う自分が交差する。
風景が、のどかな田舎町へと変わって行った。
無人の駅を降りる。
港の潮の匂いがしてきた。
【光本工場】古びた看板が見える。