16の月-過去に戻れたら‥【完結】
カーテンも掛かっていない裸の寂れた窓…
窓の端には蜘蛛の巣が張ってある。
錆びれた鉄の階段。
俺は‥無性に胸が苦しくなった‥
オバサンに「ありがとうございました。」
と頭を下げてその場を後にした…。
今日は…
高宮さんに会わなくて良かった…
俺は、会って…
「少しでも幸せに暮らしていたのか」と聞くはずだった‥
高宮さんの口から「大丈夫」の一言が聞きたくて
安心したくて、自分の肩の荷を下ろしたくて…。
また…
高宮さんを傷つけるところだった…
あの頃はガキで‥なんて言い訳してたけれど、
今もたいして変わってないじゃないか。
本当、俺って…情けないよな‥
自分の不甲斐なさに腹が立ち…拳を握りしめた…。