Pretty Pet
†潤う女子校生
空き教室から帰ってきたあたしを、芽依は心配半分喜び半分みたいな顔して出迎えてくれた。
「……どう、だった?」
「あのね、今まで自分の中に溜めてた分、全部吐き出してきた。で、別れるって一方的に言い逃げしてきた。もうこれからは陸斗の事は無視する」
そこまでを一息に言うと、あたしは大きく息を吸った。
溜めてるものが無いって、なんか清々しい。
「睦月、スッキリした顔してんね?なんだかんだ言ってても、やっぱり彼氏に浮気なんてされてれば溜まってたんでしょ、色々」
図星だ。
今までは陸斗の浮気は何とも思ってないつもりだった。だけど芽依が言う通り、あたしは知らない間に溜め込んでたんだね。
でも今は、陸斗と別れてせつらと付き合えるならと想うと、どうしようもなく胸が高鳴る。
今日もお勉強デートができるって、待ち遠しくて時間が経つのを長く感じてしまうんだろうな。
「で、話は変わるんだけど、睦月も昨日氷室さんにテスト勉強教えてもらったんだよね?」
あれ?なんで芽依がその事知ってんの?
あたし言ったっけ?
「あたしも昨日尚くんに教えてもらってたんだけどね。さっき尚くんから電話がきて、どうせやるなら皆で一緒にやらないか?って」
尚くんと氷室さんが話し合ったみたい、と芽依は続けた。
せつらは何て言ってるのかな?