Pretty Pet
「俺ら今日は5時あがりだから、それまで待っててよ」


テーブル拭きをしながら、こっそり阿木さんがあたしたちに囁いた。


芽依はさっき阿木さんにマカロンを奢ってもらって、ようやく機嫌を治したところだ。



「……待ってる……」


なんて強がってるけど、本当は芽依だって嬉しいんだよね。よく分かるよ、その気持ち。




せつら達が終わるまでまだ2時間もあるけど気にならない。


芽依と他愛ないことを話したり、携帯を弄ったりして暇を潰した。



そういえば、SNS と《プリティ・ペット》は放置したままだったっけ。

あたしはもう、そのSNS も《プリティ・ペット》にもアクセスする気はない。


人のメールを無断で転送して、その結果自分が惨めになるぐらいだったら、最初からこんな事しないでもっと他に目を向けていれば良かった。




そう考えて、その場ですぐSNS を退会しようとパスワードとIDを入力したけど、どうやら間違えているらしくて何度やっても弾かれてしまう。


アカウントを忘れてしまったんだ。


めんどくさくなったあたしは、それらを放置することにした。
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