Pretty Pet
何だろう?


もう少し触れていて欲しいなんて思うとか。有り得ないかも。






「へー。女子高生ねぇ。お名前は何ちゃん?」

「はい、香川睦月です」



氷室さんのお母さんは、とても大学生の子供がいるようには見えない美人さんだった。


「わぁ、ストレートで結構長いね?今、背骨の下まであるけどどのくらいまでなら切ってもいい?」


んー。じゃあ。


「肩の少し下までなら……」

「巻いたりしたらダメかな?学校の先生、煩く言う?」

「みんなやってるから大丈夫です」



じゃあ、と言って氷室さんのお母さんは新人さんに指示を出してその人と交替した。




でもそれを氷室さんがじぃっとみつめているものだから、なんだか居たたまれない。



しかも髪をカットしたりパーマ液を付けてる間にも。



「睦月ちゃん、彼氏と付き合ってどのくらい?」とか「どんな男の子なの、その彼氏?」


なんてそんな質問ばっかりぶつけてくる。

だからあたしも意地悪することにした。



「そういう氷室さんも彼女さんいるんでしょ?どんな人?」


もうすっかりタメ口。



「……俺は今はいないかなぁ。半年前まではいたけどね」

「じゃあ今は遊びたい放題なんだ?」

「……なんでそうなるの?」



えーだってさ。彼女がいなくなったら男の人ってそんなもんじゃないの?


ていうか、あたしの彼氏は彼女がいても遊んでるけど。



「男の人って、彼女がいても他の女の子と遊んだりするんじゃないですか。氷室さんみたいにカッコいい人なら、フリーだったら女の子といっぱい遊べそう」


陸斗も顔は良いからなぁ。

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