マー君(原作)
<4>

「おいおい、よせよ。こんな所で」

裕二は自宅の玄関に入ってきた茶髪の女に戸惑った。

それは入るなりいきなりキスをされたからだ。

彼女の名前は美咲。

三人目の女だ。

美咲はまだ高校生で黒い学生服を着たまま自宅にやってきていた。

裕二は美咲の唇を受け取り、そのまま抱き合う。

裕二と美咲は高校の部活の先輩と後輩の関係にあり、今はそれ以上だ。

ただ裕二は今年高校を卒業したばかりで実質プー太郎だ。

働きもせず、毎日こうして色んな女と会ってはこうしている。

そして全て秘密にしている。

何人もいる女に、「君が一番好きだ」そう言い聞かせ、この遊びを満喫しているのだ。

裕二は美咲から顔を離し、その表情を見つめた。

つぶらな瞳に、丸みを帯びた唇、化粧をした白い肌。

その顔は裕二をじっと見ている。

「君が一番好きだよ。他の誰よりも」

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