マー君(原作)
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自室でパソコンを前に、裕二は煙草をふかしていた。

最近、女達がやけに口ずさむ名前――マー君。

こいつについて調べているのだ。

最近ではこの名前を聞かないことはない。

昨夜もニュースで女子中学生がチェーンメールを回していたとかニュースで流れていた。

その前は、顔を剥がされた死体が見つかったとかもあった。

「なんだんよ、このマー君ってんのは?」

途中で飽きてきて、オークションサイトを開く。

最近新しい靴が欲しく、それを格安で手に入れようと毎日ネットオークションをしているのだ。

しかし、目当ての靴が見つかったのはいいが、どれも高くて手が届かない。

いっそう女達から「お小遣い」でも貰おうかと考えるが、付き合っているほとんどが学生だ。

そう金を集れる身分ではない。

この前も金を「借りた」ばかりだ。

今はよしたほうがいい。

それにさっきだって梨華にあんなことを言ったばかりだし--。


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