マー君(原作)
<15>
目が覚めた時、まだ俺は生きていた。もう、やられたと思っていた。しかし、俺の鼓動は鳴り続けている。
ドクン、ドクン、ドクン!
洋太は後を振り向いた。しかし、そこには予想だにしない光景が広がっていた。
確か、雨の父親が応援にかけつけたはず。それなのに、それなのに。
どうして雨の母親は固まっているのか。彼女は入ってきた男を見たまま立ち尽くしている。いったいこの数秒の間に何があったのか?
絶望の淵に立たされていたはずなのに、なんだこの奇妙な感覚は。時が止まっているように感じる。
そんな重苦しい沈黙の中、ある異変に気付いた。
血だ。
雨の母親の顔が赤く染まって見えた。さっきまでの仮面は消え、素顔がそこにあった。血で顔を赤く染めた女の姿が。
そして、次の瞬間、鈍い音を立て彼女は床に倒れた。
洋太は目を疑った。目の前の光景に。しかし、何故かその光景に見覚えがあった。そう、あれは良一を殴ったあの日のように。
仮面が――。
俺の顔に!
血の仮面がっ!
目が覚めた時、まだ俺は生きていた。もう、やられたと思っていた。しかし、俺の鼓動は鳴り続けている。
ドクン、ドクン、ドクン!
洋太は後を振り向いた。しかし、そこには予想だにしない光景が広がっていた。
確か、雨の父親が応援にかけつけたはず。それなのに、それなのに。
どうして雨の母親は固まっているのか。彼女は入ってきた男を見たまま立ち尽くしている。いったいこの数秒の間に何があったのか?
絶望の淵に立たされていたはずなのに、なんだこの奇妙な感覚は。時が止まっているように感じる。
そんな重苦しい沈黙の中、ある異変に気付いた。
血だ。
雨の母親の顔が赤く染まって見えた。さっきまでの仮面は消え、素顔がそこにあった。血で顔を赤く染めた女の姿が。
そして、次の瞬間、鈍い音を立て彼女は床に倒れた。
洋太は目を疑った。目の前の光景に。しかし、何故かその光景に見覚えがあった。そう、あれは良一を殴ったあの日のように。
仮面が――。
俺の顔に!
血の仮面がっ!