マー君(原作)
<2>
「本当に、死にたいな」
また懲りずに言う。言わないと落ち着かない。一日十回以上は言っているだろうに。
それでも自殺する勇気がないのだが……。
勝田はソファに置いてあったリモコンを取ると、何気なく前にあるテレビを点けた。
音量は低めにしてあるため、点けても小声程度にしか聞こえなかったが。それも近所迷惑を配慮しての行為だったが、今となっては近所に自分の存在を知られないように音を低くしているのかもしれない。
テレビではプロレスをやっていた。ゴングの外でパイプ椅子を振り回す派手なマスクをした大男――見てるだけでおやじ狩りを思い出す。
チャンネルを変えると、夜中のニュースが流れていた。ベテランの女性アナウンサーが、眠た気な顔で無理矢理口を動かしている。
「今日●●中学校では、マー君に殺害された十九名の生徒の追悼が行われ、出席していた保護者らは学校の責任追及を……」
「本当に、死にたいな」
また懲りずに言う。言わないと落ち着かない。一日十回以上は言っているだろうに。
それでも自殺する勇気がないのだが……。
勝田はソファに置いてあったリモコンを取ると、何気なく前にあるテレビを点けた。
音量は低めにしてあるため、点けても小声程度にしか聞こえなかったが。それも近所迷惑を配慮しての行為だったが、今となっては近所に自分の存在を知られないように音を低くしているのかもしれない。
テレビではプロレスをやっていた。ゴングの外でパイプ椅子を振り回す派手なマスクをした大男――見てるだけでおやじ狩りを思い出す。
チャンネルを変えると、夜中のニュースが流れていた。ベテランの女性アナウンサーが、眠た気な顔で無理矢理口を動かしている。
「今日●●中学校では、マー君に殺害された十九名の生徒の追悼が行われ、出席していた保護者らは学校の責任追及を……」